アメリカンドリームの向こう側に


テイちゃんのMVは、いつもこれでもか!ってお金かけて作ってて

凡人には真似できないところが好きなんだけど、


このMVは水槽のシーンが好きで、ふと流れてきたので

あらためてチラッと見たら、

そうか、テイちゃんは人種の壁を超えた恋人の設定にしていたんだなと

今この暴動のニュースの中で、改めて思ったりした。

私たちは圧倒的に、白人どうしのラブストーリーばかり目にしてきているので

どうにしても、見慣れている。


もちろん例外はある。実話に基づいた話とか。

警官の話なので、改めて興味深い。KKKのイメージも変わった。

最近はこんな面白いドラマもあった。


でもやっぱし、圧倒的に少ないもんね、数は。

有色人種でいえば、アジア人も全く同じ。

アジア人役者の扱いってこうなのね、と思わされる場面は多いし、

韓流作品とか世界中で人気だけど、

かといって、白人とアジア人カップル、なんて作品はそうそう見ないもんね。



映画だって商業だ、と考えれば

多くの人が見たいと求めるのは

見慣れた白人どうしのカップル、なのかな。

やっぱり、今でも。



でも、そんな中で、テイちゃんが自分のMVで

ちゃんとそのメッセージを出していることは凄いなと思う。

彼女は「歌」が売り物だから、それができたのかもしれないけれど。


政治的発言には賛否両論あるみたいだけど

多くの人に声が届く場所にのし上がった彼女だからこそできることで、

それは単純にすごいなとも思う。

(Netxflixのドキュメンタリーよかった。人間味が伝わった)



アメリカンドリーム。

目に見えて弱肉強食の国だからこそ、

成功者にならなかった大人が自負心を保ち続けるのは、

難しいような気もする。


自分は負け犬じゃないと思うほど

無意識に「白人であること」がどんどん大事になっていって。

それを当たり前みたいに周りにかざし続けた結果、

ボーダーを超えてしまう、そんなこともあるのではないか・・・。


自分の出自を誇るのはいいことだと思うけど

人種だけが自分のプライドになるなんて、とても悲しい。


アメリカンドリームという理想を体現する一方で、

そこに乗れなかった人たちの持って行き場が

どんどんなくなってしまっているのだろうか。


成功しなくてもいい、という価値観も

実はとても大事だと最近とみに思う


タンクトップでダラダラしている(だけに見える)南国のおじちゃん、みたいな生き方だって一種の幸せ、

と信じられるようになったのは、

石井光太さんの書籍を読み漁ったからかもしれない。


成功しなくてもいい。

成功してもいい。

何かを残してもいい。

何も残せず、泡のように消えていく人生でもいい。

残ったものだって
いずれ全て消えるとすれば

何もかもすべて、はかない夢だと思えてくるね。


じゃあなんだろう。

「自分なりに生き抜いたわよ!」ってその満足感だけで

誇らしく死ねることが

いちばん大切なのかな。

やりきった、って満足感。

このMVも好き。

ドロドロのペイントの雨に降られてみたい。

映画並み?の予算があってこその作品だね。


こういうの見ると、

成功すると、体験できないことが体験できるのだろうなーとは思う。


自分にできうる「体験」はしたかな?

今も、してるかな

これからも、できるのかな


まだまだ・・・と思うところもあるけど、

歌うことが広げてくれた世界は、宝物なのかもとは思います( ღ'ᴗ'ღ )