2017.12.12 04:59連歌「あつかんほっぺ」「恋よりも仕事が楽しくなっちゃってぇ」男の気合の初マフラーネギ買ってごめんなさいのバス だってどしても鍋食べたかった前の職場があってさと見つめるビルに探すは誰ともなく地元へ帰ろう帰ろう帰ろうそんな何度も歌わないでと風来坊降りたらねちゃんと忘れる諦めるだって先輩「お先です」障害だらけお仕事顔で歩く渋谷は冬銀河のように輝いて赤ちゃんを抱えるみたいにコート持つ男の人の熱燗ほっぺ(連歌「あつかんほっぺ」、自作)季語が入らないものは都々逸ってことで(たぶん)バスに乗ると、電車よりもなぜか、色んな人や景色が目について勝手に色んな人生を想像してしまい、短歌を詠みたくなってしまいますバスの、あの小さな「箱」って感じがいいのかな
2017.05.30 08:18「発電所よりお知らせ」の巻ふまじめアウトプットしておいて その実まじめな人がすき大きすぎる人の 所在のない仕草がすき頭を下げながら脚をふるわせる やさしい人がすきよくわかんないのに あの人がすきすきのエネルギー分子は どこへ流れてゆくのだろう空中でだんだん薄れて 消えてなくなるのかな 玄関の電球がついちゃうくらいのパワーあると思うんだけどなその辺の花がパッと咲いちゃうくらいの分子エネルギーあると思うんだけどな ちゃんと送電線に乗せて宛先書いて送ったらちゃんとあの人の電気として使ってもらったりできるのかなそれとも不足はしていないのかしらメーターを見にいかなきゃ―当発電所のエネルギーはお役立ちになりますか?(すき発電所より、無料です)(自作)
2017.05.30 08:11連歌「線路のヒール」線路の間 落としたヒールに ふくれ面こんなとき笑える人かと言われたら違うけれども笑いたい いつか見た オリンピックの選手のように我先に急ぎたいのよニッポン人 人のせいして怒る顔どんなただ一日(ひとひ)言葉がないのが寂しくて 師走のタイツは化学の匂い初めてのシューズ買ったの美しく舞姫になる夢をみて 十年の月日はなにを変えたのか引かれて戻る恋の海未来など窓の向こうに置いてきた見つめる女(ひと)の濡れ睫毛(連歌「線路のヒール」、自作)
2017.05.30 02:58ぶんかとみらい「僕ね、オンナノコは文化を持ってるから スキなんだよね」昔、知り合いの上司さんがよく、言ってた。確かに、そういう女の子いっぱいいる。学びたくなる人、いっぱいいる。で、今の私にはあるかしらって悩む。たくさん観たり聴いたり触れたりはするけどどれも雑食だし、勢いで漁ってるようでどれも大して人に語れるほどの、音楽の知識も、文学も映画のあれこれも歴史も理科も美術も、ないような気がしてきて。ウーンでもねえ、別に男の人にねえ、好かれるためだけの文化じゃないからいいの。笑わたしのなかに、何があるか。それを見つけるのは、わたしじゃないの。・・・とかね。戯れ言です。笑知らないことは知らないし、好きなものには、手を伸ばそう。わたしやあなたの、小さな、文化。意識しないで育って...
2017.05.30 02:49半月栞ハサミで切ったような半分の月片割れは どこに落ちたヒラヒラ私の手にヒラヒラ街の隅にピカピカ光ってどこかに挟まっているのなら見つけてあげる福笑いの口みたいなうすっぺら半月読みかけ本の 栞にしよう (自作)
2016.12.24 08:14連歌「あかのサンタ」水道の蛇口が刻むリズムのなかで 無数の夢が通り過ぐ気分屋の気分なんだと言う君の さっきの恋はもう終わり「怖いのは、怖いけど。」ドア 郵便きたなら ひらきますこぼしたら 拾うしかない 言葉とて見つめりゃゆるむイヤとは言えぬ つぶらな子犬と話する一二三歌数えてみても来ぬ夜を 隠して消えぬ月の馬鹿唯ひとつ数字をまたぐだけなのに ゆく人晴れやか あしたに祈りあのひと かのひと つどうひと 顔を合わせた分だけサンタ(連歌「あかのサンタ」、自作)
2016.11.25 05:20連歌「オシャレ戦争」冬じゅうしわを伸ばしておりましたのスカート初始動茶髪にしたら百戦錬磨 分け目を変えれば存外無敵後悔をしないのが猫、と言い聞かせてる時点で犬総柄レースに絡まる指輪 飛び散ったのは宝石猫背C型それから何だ10センチヒール履いても届かなそうな鼻選ぶとき妙に迷ったハンカチが予感どおりに君を拭く水玉のかの日のために買いし服 本日敗者復活戦今だけのフィンガーブレスレット掴まれた腕まだ余る指(連歌「オシャレ戦争」、自作)
2016.08.08 08:26連歌「休日風邪」の巻約束が消えそな予感で風邪をひく笑っちゃうほど便利なからだエアコンCoffee夜ふかし猫背色んなものをやめてみる返事待ちの乙女の祈り平熱の歌を聴きたい君じゃなく熱さまシートと2重の靴下コトバとココロの間にかかる橋はどのくらいなの渡ってるの今あなたもオーバーディグリー後悔だけが発酵する体内ぜんぶ流れ出ればいい汗でもうすぐの腐乱死体が見たのは幸福な幸福な夢(「休日風邪」、自作)
2016.04.30 14:40「ディズニー連歌」の巻地上に恋するマーメイド我は声を捨てられず今会えぬ間にラプンツェルくらいになりそうな初春のボブ 月に祈るよ逢瀬のときを 魔法のじゅうたん十駅越えてエレベータ前 シンデレラ 靴を落とせる余裕などなく探されないヒールを履いて灰かぶりに戻る朝のカロリーメイト野獣でもこの人と分かるベルみたいな目を持ってるつもり (「ディズニー連歌」、自作)
2016.03.03 07:43「光源氏連歌」の巻日だまりの携帯メールこの冬は花散里のように待つべし(俵万智さん)花散里は、源氏物語に出てくる女性のひとりです。ふんわり、ふくよか。のんびりさん。源氏物語は本当にあらゆるタイプの女性が出てきます。でもどの女性の態度にも「わかる~」ってところがあってだいたい共感できる。まったくできない女性も数人いるんだけど笑自分は誰かなあ〜なんて思って今考えてみても、やっぱりひとりには決して絞れない。女性はやっぱし幾つもの顔を持っているのかもしれないね。相手によってもね。「源氏相手のときは、そういう女であっただけ」っていう感じで多面的に式部さんも書いているねてなわけで私も詠んでみました。源氏妄想やばい超楽しい笑青海波に魅せられし貴人たちを思ふ 歌い踊るジャニーズを見てつい...
2016.02.09 02:01「お肉短歌」の巻ニク焼きながら朱色のピアス揺らす彼女のニクいはからい 肉ばっか食うなよって怒ってた奴なんかほらサンチュでたいらげちゃって服に付く匂いまで愛おしかった夜 おしぼりを投げつけた夜焼肉行こうとあの日の父は嬉しかったの悲しかったの言葉なく送った街角何度でも元気になればいいよ泣き虫には上カルビ焼いてあげる(「お肉短歌」、自作)