連歌「あかのサンタ」


水道の蛇口が刻むリズムのなかで 無数の夢が通り過ぐ


気分屋の気分なんだと言う君の さっきの恋はもう終わり


「怖いのは、怖いけど。」ドア 郵便きたなら ひらきます


こぼしたら 拾うしかない 言葉とて


見つめりゃゆるむイヤとは言えぬ つぶらな子犬と話する


一二三歌数えてみても来ぬ夜を 隠して消えぬ月の馬鹿


唯ひとつ数字をまたぐだけなのに ゆく人晴れやか あしたに祈り


あのひと かのひと つどうひと 顔を合わせた分だけサンタ


(連歌「あかのサンタ」、自作)