行く言葉が美しくてこそ返る言葉も美しい


「行く言葉が美しくてこそ返る言葉も美しい」

韓国の諺です。

これは本当に、忘れてはいけないことですよ、と思うこの頃。


「最近、なんか運気が悪い」と感じるときは、

自分の出してる言動が原因なのかな、と思うようにしている


こっちに棘があるから、棘がやってくる

不遜になってると、不遜な態度が返ってくる


未熟と自省は尽きぬものですね、

人間は、幾つになっても。



茨木のり子さんのドキュメンタリーを見て、この2冊を読んだ。

50代から韓国語を学んだ茨木さん。

韓国語の先生と、両国の違いや言葉や文学や、

お互いを尊重しあって色々な話をされていて、とても面白かった。

「詩」の違いも興味深かった。


日本の詩は、あまり強く感情を出すことを嫌うと

いわゆる、花鳥風月、のような表現が多いのもそのため。

茨木さんは比較的、そういう美辞麗句ではないタイプの詩人だから

「自分の詩は『生活派』と呼ばれる笑」とおっしゃっていて


一方で韓国は、自分の感情を打ち出して

それを喩えたようなものが多いと。

そのまま心を乗せている、とのこと。


韓国に限らないけど

日本人は本当に、世界的に見て、感情を出さない国だよね

それが「秩序」とやらを乱すから、なのだろうな。

感情を出すのはみっともないし、

他人に感情を出すことを我慢する。


そして、「天気」も関係している、という指摘も

韓国は日本ほどジメッとしてないらしく、夏はほとんど雨が降らないらしい。

日本の人の忍耐力は、

天気に耐えてきた国民性もあるのでは?と


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最近、大好きなこのシリーズを読んでいても、思ったこと。

国民性と天気。

薄暗くて寒い日が多いイギリスは、

南欧のような暖かい国とは違って

「目的なしになんとなく人が集まって、偶然何かが生まれる」

ということがない国だ、と。

無意味に人と群れることがない国民性で、

根拠のない自信家や楽天家がいない、と。


元々4つの地方の集合体で、

目的のために集っているだけで、そうでなければ喧嘩をしてしまう

「見えない壁があった方がいい」という考え方がある。

だから合理的で個人主義。

謙虚さ、断捨離力、普遍的価値の発見力。


比べて、日本は自然豊かな土地柄なので

「なんとなく」の曖昧さがあって

「まあいっか」の楽天家、性善説の人が多い。

寛容さ、他者信頼力、融和力。


日本の若者はイギリス化している、と関口さん。

どっちの気質も傾向も国の発展のためには必要だと思う、と

締め括っていた。



「違い」は知った上で、判断することが本当に大切で

メディアだけを見てると、知らず偏ってしまうから


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そういえばこれも読んで

世界の4人に1人と言われるイスラム教

なぜこんなに広まったのか?


前にオンラインライブでも話したけど

「寛容な王朝ほど長く続く」と言うのと似ている気がした。


イスラム教は元々「商人」の宗教で

基本的に人は等しく、人との間に線を引かない、という考え方。

だから「あなたがどこから来た人か」を気にしない、偏見が少ない。


神様が示してくれた教典が、とにかく「絶対」。

普遍的な生活の仕方を、示してくれるから、

ある意味で生きるのがラクになるんだ、と。


みんな生きる「指針」が欲しくて、

これをしていれば良い生き方になる、という「規範」が欲しくて

イスラム教徒は国を超えて、それに従っているんだ、と。


「自分で生き方を決める」って自由で

幸せなことなのかと思ってたけど

実は、必ずしもそうではないのかもしれないなって最近思うよ。


まあね、日本の「他のみんなと同じで安心」っていうのも

一種の宗教と同じだよね。「みんな教」という



そしてイスラム教の人は、

実は「他者の面倒を見ずにいられない人たち」なんだと。

それは私、ドバイの空港でも思ったんだよ。

困っている人に、優しいです。

商売の人の宗教なので、商売やお金には厳しいらしいけど、

「客人はおもてなししなければ」

「弱者を助けなければ」という思いは非常に強いらしい。


でも教典は時代が変わっても、一切変わらないものだから

今の時代、西欧から見て不寛容に見えること(LGBTQの人たちへの考え方など)

があるんだ、と。


そして長年、居所がなく扱われてきた移民たちが、

のけものにされ、嫌われて絶望する中で、

神様の言うことを、自分の良い方向に「勝手に」解釈する人たちも

出てきてしまったんだ、と。



書き始めると終わらない笑


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海外には行けない今だけど、

ともかく、

知らないことがいっぱいあるんだよ、ほんとに


オリンピックを見ていても

「違い」と「共生」のことを、すごく考えます